
前回は独自の売り(USP)を持つことの重要性をお伝えしました。
(まだ見ていない方は先にこちらを先にご覧ください)
競合にはない独自の売り(USP)を持ち、それを正しく実践すれば、その企業は競合より一歩抜きん出た存在となり、優位な立場で活動できます。
今回は具体的なつくり方を2つお伝えしたいと思います。
顧客に聞く!
1つめは、あなたの顧客に聞くことです。
そのうえで、商品・サービスの強み、弱みを明確にしてください。
この作業は自分たちで強み、弱みを考えるのではなく、実際に検討、購入してくれた顧客に聞き、生の声を集めるのがポイントです。
実際に、自分たちが考えていた部分と別のところに惹かれて購入している顧客、自分たちでは問題にならないと考えていた部分がネックになり、購入を控えた顧客が出てくるはずです。
具体的なやり方は以下です。
- 手持ちの顧客リストを、未購入、購入中、離反に分けます
(離反は一度以上の購入履歴がありながら、一定期間以上の再購入がない顧客) - それぞれのリストに対して下記ヒヤリング(アンケート)を実施
ヒヤリング項目:()内はリストの種類
・購入した理由(購入中、離反)
・購入しなかった理由(未購入)
・購入をやめた理由(離反)
・競合から乗り換えた理由(購入中、離反)
・競合に乗り換えた理由(離反)
・競合から乗り換えない理由(未購入)
・購入する際に最も重要視すること(共通)
*回答は選択式プラス“その他(自由記入欄)”としてください
*選択肢は品質・価格・納期・商品展開(種類)・対応/アドバイス/補助の観点で作成 - アンケートを集計し回答の構成比率を確認
このアンケートによって、あなたの商品・サービスの顧客からみた強み、弱みが見えてきます。
もし、回答がバラバラで特出する項目がない場合、残念ながら顧客から見て特徴がなく、購入する理由、競合から乗り換える理由がない商品・サービスであるということになります。
その場合は2つめにご紹介する方法で、独自の売り(USP)のつくり込みをしてください。
ここで現れた強みが、競合に対し競争優位性を持つポテンシャルを秘めた部分です。
逆に弱みの部分は、競合が強い可能性があるので、それを打ち消して余りある状態にまで強みを磨き込む必要があります。もちろん弱みを無くす努力も必要ですが、経験上、強みから先に手を入れる方が、効果が高いです(当然、弱みが致命的な欠陥であれば話は別ですが)。こうして磨き込んだ強みがあなたの商品・サービスの独自の売り(USP)となります。
新分野の発見
また、ある分野の顧客が集中的に高評価をしている場合、その分野に集中する、その分野専用の商品・サービスを作るということで差別化できることもあります(特定の分野に特化する)。
同じように、その他の少数意見でも想定外の顧客が想定外の使い方をしていることがあります。
その場合もその分野専用の商品・サービスを展開できる可能性があるので、調査、検討してみてください。
うまくいくと、想定外のニッチ領域を発見できるかもしれません。
業界で満たされていないニーズは?
2つめは、あなたの業界で満たされていないニーズを拾い、そこに対応した商品・サービスを展開するという手法です。
米国No.1コンサルタントと言われているジェイ・エイブラハム氏は、考えられるニーズの項目として以下を上げています。
- 広い選択肢
- 大幅なディスカウント
- 的確なアドバイスや補助
- 利便性(ロケーション、豊富な在庫、配達の早さ)
- 最高級の製品・サービス
- 迅速なサービス
- 特別な各種サービス
- 長期的な保証、広範囲にわたる保証
- その他、ライバルには提供できない特別な点、有形・無形の利益、価値のある特典etc
まずは上記項目で自社、競合が満たしている部分はどこか?逆に満たしていない部分はどこか?考えてみてください。
また、これらに関しても、顧客に聞いてみることが有用です。
不満に感じている点、改善されるとよいと思っている点を聞いてみると、ニーズがありながら業界で対応できていない部分が表出しされます。
まとめ
今回ご紹介した2つの方法を用いて、ぜひあなたの会社独自の売り(USP)を見つけてください。
そして見つけた独自の売り(USP)を使い、広告や営業を行ってください。
もし独自の売り(USP)がないままビジネスを続けると、競合に埋もれたままになり、決して顧客に見つけてもらえません。
顧客に見つけてもらい、なおかつ選んでもらうためには、独自の売り(USP)でしっかりベネフィットをアピールしましょう
最後に、独自の売り(USP)は必ず実行できる事項としてください。
実行できない内容だと、顧客の信用をなくします。
また、悪評が立つと新規顧客が来ないだけに留まらず、既存顧客まで離れる結果にもなりかねません。
短納期で対応します。最安値で対応します。と言うだけなら簡単ですし、集客効果も確かに高いと思いますが、確実に実行できる体制を整えたうえで始めてください。
短期的な利益に走らず、長期的にビジネスを維持、成長させられるように信頼を失わない、実行可能な独自の売り(USP)をつくるように心がけてください。